関西の大学群とは?関関同立・産近甲龍・摂神追桃の違いと勉強法
関西の大学群とは?まず全体像をつかもう
関西で大学選びを始めると、関関同立や産近甲龍といった言葉がすぐに出てきます。学校の面談や塾の説明会でも当たり前のように使われるため、初めて聞くご家庭は戸惑いやすいところです。この章では、関西の大学群の考え方と代表的な分け方を、教科書よりも分かりやすく整理していきます。まずは全体像をつかんで、志望校選びの土台をつくりましょう。
大学群という呼び方が生まれた理由
大学群とは、入試の難しさや大学の雰囲気が近い大学を、いくつかまとめて呼ぶ言い方です。大学は全国に約800校あり、名前を聞いただけで学力のイメージをつかむのは簡単ではありません。そこで受験生や先生たちが、似た位置づけの大学をひとまとめにして話すようになりました。
たとえば関東ではMARCHや日東駒専という呼び方が有名です。関西にも同じ仕組みがあり、関関同立、産近甲龍、摂神追桃といった呼び名が広く使われています。どれも大学名の頭文字をつないだ、覚えやすい言葉です。
ここで知っておきたいのは、大学群は公式な制度ではないということです。文部科学省が決めたランキングではなく、受験の世界で自然に広まった通称にすぎません。同じ大学群の中でも、学部や入試方式によって難しさは変わります。
大学群は、志望校を考えるときの最初の地図として使うのがおすすめです。群の名前だけで合否を判断せず、学びたい内容や通学のしやすさと合わせて見ていくと、納得のいく選び方につながります。
関西で知っておきたい4つのグループ
関西の大学選びでよく話題になるグループは、次の4つです。
- 関関同立(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)
- 産近甲龍(京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学)
- 摂神追桃(摂南大学、神戸学院大学、追手門学院大学、桃山学院大学)
- 国公立大学(京都大学、大阪大学、神戸大学、大阪公立大学など)
上の3つは私立大学の呼び名です。関西の私立では、関関同立が最も難しく、続いて産近甲龍、摂神追桃の順に語られることが多いです。
国公立大学は、頭文字をつないだ呼び名があまり使われませんが、関西の受験生にとっては大きな選択肢です。京都大学、大阪大学、神戸大学を中心に、大阪公立大学、京都府立大学、滋賀大学なども人気があります。
国公立は大学入学共通テストと大学ごとの2次試験の両方が必要になるため、私立とは勉強の進め方が少し変わります。私立中心で考えるのか、国公立も狙うのかを早めに決めておくと、高校2年生のうちから科目の優先順位をつけやすくなります。
大学群の違いを表で比べてみよう
4つのグループの違いを、表にまとめます。難易度は予備校の発表資料や年度によって数字が変わるため、あくまで目安として見てください。
| 大学群 | 主な大学 | 難易度の目安 | 入試の特徴 |
|---|---|---|---|
| 関関同立 | 関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学 | 偏差値50台半ばから60台前半 | 3教科型が中心。全学日程や学部別日程など方式が多い |
| 産近甲龍 | 京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学 | 偏差値40台後半から50台半ば | 3教科型に加え、共通テスト利用など受けやすい方式が多い |
| 摂神追桃 | 摂南大学、神戸学院大学、追手門学院大学、桃山学院大学 | 偏差値40台前半から50前後 | 2教科型や共通テスト利用、総合型選抜が充実 |
| 国公立大学 | 京都大学、大阪大学、神戸大学、大阪公立大学など | 大学や学部で大きく差がある | 共通テストと2次試験が必要。5教科7科目が基本 |
表のとおり、関関同立は3教科型の入試が中心で、英語・国語・社会(または数学)をバランスよく仕上げる必要があります。産近甲龍や摂神追桃は受けやすい方式が多く、得意科目を活かしやすいのが特徴です。
注意したいのは、難易度があくまで目安だということです。たとえば近畿大学の医学部や、各大学の人気学部は、同じ大学群の中でも合格に必要な学力が大きく上がります。大学群の名前で安心せず、受けたい学部の過去問を確認することが大切です。
関関同立の特徴と合格に近づく勉強法
関西の大学群の中で最も知名度が高いのが関関同立です。人気が高く志願者も多いため、基礎を固めたうえで、入試で差がつく科目に絞って対策することが近道になります。この章では、4大学それぞれの特徴を押さえたうえで、英語長文と日本史の近現代という、つまずきやすい2つの単元の勉強法を紹介します。
関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学のちがい
関関同立は同じ大学群でも、校風や強みがそれぞれ違います。まずは4大学の特徴を整理します。
- 関西大学は、大阪府吹田市の千里山キャンパスが中心です。法学部、経済学部、商学部など、社会科学系の学部がそろっています。
- 関西学院大学は、兵庫県西宮市の西宮上ケ原キャンパスが中心です。国際学部をはじめ、英語教育や留学制度に力を入れています。
- 同志社大学は、京都市の今出川キャンパスと京田辺キャンパスで学びます。学部の数が多く、幅広い分野から選べます。
- 立命館大学は、京都の衣笠、滋賀のびわこ・くさつ、大阪のいばらきの3つのキャンパスがあります。学部によって通う場所が大きく変わります。
この4大学で共通して大切なのは、キャンパスの場所と学部の組み合わせを確認することです。同じ大学名でも、学部によって通学時間や雰囲気がまったく違います。
入試では英語の比重が高い大学が多く、どの大学を受けるにしても英語を早めに仕上げることが合格への近道です。次の項目で、英語長文の勉強法を詳しく紹介します。
志望校を絞るときは、オープンキャンパスで実際に校舎を歩き、授業の雰囲気を感じてみてください。パンフレットだけでは分からない発見があります。
英語長文を教科書より分かりやすく攻略する方法
関関同立の英語は長文読解の比重が大きく、特に同志社大学のように読む量が多い大学では、読むスピードが合否を左右します。教科書の説明が難しいと感じる場合は、次の順番で進めると取り組みやすくなります。
- 単語と熟語を固める(まずは1500語を目標にします)
- 文の骨組みをつかむ(主語と動詞を見つける練習をします)
- 段落ごとに一言でまとめる(日本語で10文字程度に要約します)
- 時間を計って解く(1題20分前後を目安にします)
- 音読で復習する(読めない箇所をなくします)
この手順の中心になるのは、3番の段落ごとの要約です。長文が苦手な人は、文章を頭から全部理解しようとして疲れてしまいます。そこで、But や However のような逆接の言葉に印をつけ、筆者が本当に言いたいことを探す読み方に変えてみてください。
問題集は、「やっておきたい英語長文300」のように解説が丁寧なものが向いています。1日1題を続けて、1か月で30題ほど読むと、長文を見たときの苦手意識が少しずつ減っていきます。
日本史の近現代を整理するコツ
関関同立の社会は日本史や世界史を選ぶ受験生が多く、近現代の出題が目立ちます。近現代は出来事が多く、教科書を読んでも頭の中で整理しにくいと感じやすい分野です。
おすすめは、教科書の流れを1枚の年表にまとめる方法です。日本史なら、幕末の開国から明治維新、日清・日露戦争、大正デモクラシー、昭和恐慌、戦後の高度経済成長という大きな流れを、A4の紙1枚に書き出します。
年表ができたら、出来事の間に「なぜ」を書き込みます。「なぜ不平等条約を改正したかったのか」「なぜ昭和恐慌が戦争につながったのか」と原因と結果をつなぐと、用語が暗記ではなくひとつのストーリーとして残ります。
一問一答は、流れを理解してから使うと効果が高まります。最初は東進ブックスの日本史一問一答のような問題集で、年表の空欄を埋める気持ちで取り組むと、知識が定着しやすくなります。週に1回は年表を見返し、忘れている箇所に赤ペンで印をつけると、復習の効率が上がります。
産近甲龍と摂神追桃の特徴と勉強法
産近甲龍と摂神追桃は、関関同立よりも受験しやすい方式が多く、学びたい分野に合わせて選びやすい大学群です。ただし、入りやすいからといって対策が軽くなるわけではありません。この章では、各大学の特徴と、基礎力で差がつく数学の単元、基礎固めの進め方を紹介します。
産近甲龍の4大学それぞれの強み
産近甲龍は、大学ごとの色がはっきりしています。まずは表で、4大学の違いを見てみましょう。
| 大学名 | 主なキャンパス | 特色 |
|---|---|---|
| 京都産業大学 | 京都市北区の神山キャンパス | 学部が1つのキャンパスに集まり、学部を越えた交流がしやすい |
| 近畿大学 | 大阪府東大阪市の本部キャンパス | 学部の数が多く、近大マグロの研究でも知られる |
| 甲南大学 | 神戸市東灘区の岡本キャンパス | 少人数での学びを大切にしている |
| 龍谷大学 | 京都市伏見区の深草キャンパス、大津市の瀬田キャンパス | 仏教の精神を土台にした教育で、学部ごとにキャンパスが分かれる |
表にあるように、近畿大学は学部が多く、志願者数が私立大学の中でも上位になることで知られています。人気が高い分、学部によっては倍率が高くなるため、早めの対策が欠かせません。
京都産業大学と甲南大学は、キャンパスがまとまっていて、大学生活のイメージをつかみやすい点が魅力です。龍谷大学は、学部によって京都と滋賀に通う場所が分かれるため、通学時間の確認が大切になります。
関関同立を第一志望にして、産近甲龍を併願校に入れる受験生も多くいます。その場合も、併願校の過去問は必ず解いておきましょう。大学ごとに問題の出し方にくせがあり、本番前に慣れておくだけで得点が安定します。
数学で差がつく単元と身につけ方
産近甲龍の数学は、基本から標準レベルの問題が中心で、教科書の例題を理解して使いこなせるかが問われます。ここで差がつきやすいのは、次の3つの単元です。
- 二次関数(グラフの平行移動と最大・最小)
- 場合の数と確率(数え上げの順序と条件の整理)
- 数列(等差数列、等比数列、漸化式)
これらの単元は、公式を丸暗記しても、問題文が少し変わると手が止まってしまいます。そこで、例題を解いたあとに解き方を自分の言葉で説明する練習をしてみてください。家族に話してもよいですし、ノートに書き出すだけでも効果があります。
確率は、樹形図や表に書き出して数える習慣をつけると、数え忘れや重複が減ります。二次関数は、グラフを必ず手で描き、頂点と軸の位置を確かめてから式を考えると、最大・最小の問題が解きやすくなります。
間違えた問題は間違いノートに残し、週末にノートの問題だけを解き直します。問題集は「基礎問題精講」や「青チャート」の例題レベルを繰り返すと、基礎力が安定します。教科書の説明で止まってしまう場合は、解説が細かい問題集で、まず1つの型を身につけるところから始めると進めやすくなります。
摂神追桃の4大学と基礎固めの進め方
摂神追桃は、地域に根ざした学びと、少人数の指導が魅力の大学が集まっています。4大学の特徴は次のとおりです。
- 摂南大学は、大阪府の寝屋川キャンパスと枚方キャンパスで学びます。理工学部や薬学部、看護学部など、資格につながる分野が充実しています。
- 神戸学院大学は、神戸市の有瀬キャンパスとポートアイランドキャンパスがあります。薬学部や栄養学部など、医療や食に関わる学びが特徴です。
- 追手門学院大学は、大阪府茨木市のキャンパスで学びます。心理学部や地域創造学部など、人や社会を学ぶ学部が目立ちます。
- 桃山学院大学は、大阪府和泉市のキャンパスで学びます。経済学部やビジネスデザイン学部、国際教養学部があります。
この4大学を目指すときは、中学内容の復習から始めることが近道です。英語ならbe動詞や一般動詞の文、数学なら正負の数や一次方程式が、あいまいなまま残っていないかを確認します。
基礎固めは、1日30分から始めても十分です。英単語を20個覚え、数学の計算問題を10問解く、といった小さな目標にすると続けやすくなります。1か月続けると、教科書の内容がぐっと読みやすくなっているのを感じられます。
また、摂神追桃は共通テスト利用や総合型選抜など、受験の方法が広く用意されています。一般入試だけにこだわらず、自分に合った方式を調べておくと、合格のチャンスが広がります。
塾や予備校の選び方と家庭でできるサポート
志望校の見当がついたら、次は勉強の進め方を決める段階です。塾や予備校は、合う合わないがはっきり分かれます。この章では、関西で利用しやすい塾や予備校のタイプ、参考書の選び方、親子での話し合い方をまとめます。
河合塾・駿台・東進・武田塾のタイプ別の特徴
大学受験向けの塾や予備校は、指導のスタイルで大きく4つに分けて考えると選びやすくなります。
- 河合塾は、関西にも校舎が多く、講義と模試の両方が充実しています。全国規模の模試で、自分の位置を確認できます。
- 駿台予備学校は、難関国公立や理系の指導で知られています。大阪や京都の校舎で、密度の高い講義を受けられます。
- 東進ハイスクールは、映像授業を使って自分のペースで進めます。部活動と両立したい人に向いています。
- 武田塾は、授業を聞くよりも参考書を自分で進めるスタイルです。個別に進み具合を確認してもらえるため、自習の習慣をつけたい人に合います。
選ぶときの軸は、授業で理解するタイプか、自分で進めるタイプかという点です。人から説明を聞いて理解が深まる人は、河合塾や駿台のような講義型が合います。自分のペースで繰り返したい人は、東進や武田塾のような形が向いています。
どの塾も、体験授業や説明会を用意しています。入塾前に必ず参加して、教室の雰囲気や、質問のしやすさを確かめてください。月謝だけで決めず、通いやすさや先生との相性も見ておくと、続けやすい環境が見つかります。
教科書が分かりにくいときの参考書の使い方
教科書の説明が難しく感じるのは、能力の問題ではありません。教科書は内容を網羅するために、説明が短くまとめられているからです。そんなときは、解説が丁寧な参考書を併用すると理解が進みます。科目ごとの例を表にまとめます。
| 科目・単元 | 参考書の例 | 使い方のポイント |
|---|---|---|
| 英単語 | システム英単語 | 1日50語を目安に進め、前日の分も見直す |
| 英文法 | Next Stage | 解説を読んでから問題に取り組む |
| 英語長文 | やっておきたい英語長文300 | 1日1題を解き、音読で復習する |
| 数学 | 基礎問題精講 | 例題を解いた後、解き方を自分の言葉で説明する |
| 日本史 | 金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本 | 読みながら年表をつくり、出来事の理由を書き込む |
参考書は、1冊を最後までやり切ることが大切です。次々に新しい本へ手を出すと、どれも中途半端になってしまいます。1冊を3回繰り返すつもりで、1周目は理解、2周目は解き直し、3周目は間違えた問題の確認、と目的を分けると定着しやすくなります。
書店で実際に手に取り、説明の読みやすさを確かめてから選ぶのがおすすめです。レイアウトや文体が合う本は、勉強の負担がぐっと減ります。教科書は捨てずに、用語の確認用として横に置いておくと、参考書と組み合わせて使えます。
志望校を決めるまでの親子の話し合い方
志望校選びは、本人が納得して決めることが大切です。親が先回りして決めてしまうと、勉強への意欲が下がることがあります。次の3つを話し合いの材料にしてみてください。
- 学びたい内容(学部や学科、ゼミの雰囲気)
- 通学のしやすさ(自宅から通うか、一人暮らしをするか)
- 費用(学費、交通費、下宿をする場合の家賃)
この3つは、どれも後から変えにくい条件です。特に費用は、学部によって学費が大きく変わるため、早い段階で家族で共有しておくと、受験直前に慌てずにすみます。
オープンキャンパスは、夏に多くの大学で開かれます。高校2年生のうちに1校でも参加しておくと、大学の雰囲気が分かり、勉強のやる気にもつながります。模試の結果を見るときは、判定の文字だけでなく、科目ごとの偏差値の動きを一緒に確認すると、次に何を勉強すればよいかが見えてきます。
親ができるサポートは、結果を評価することよりも、困っていることを聞くことです。「最近、どの科目が難しい?」と声をかけるだけでも、子どもは話しやすくなります。結果が思わしくなかったときも、まず頑張ってきた過程を受け止めたうえで、次の一手を一緒に考える姿勢が、受験期の支えになります。
